2012年1月14日土曜日

深夜特急の旅

今日は友達に深夜特急を貸すべく学校に行った。まぁそれ以外にも用事はあったけど。

貸すために持ってきた本だけど通学時間が長いため、復習とばかりに読んでしまう。

 まず1巻をなんとなく開く。そして香港の地図がそこにあり、今はない啓徳空港の場所が記載されている。中学生くらいの時、私の香港のイメージは、この空港に着陸する航空機が腹を見せながら、繁華街の上空を通過するような光景だった。
 
 大学生になり、パスポートを取得したころにはこの空港は姿を消し、香港島や九龍半島からは少し遠い島へ移転したようだ。卒業間近の自分は時の流れを感じずにはいられなかった。

  この地域は今、改革開放の流れと共に発展し、なにかやらかしたい人が集まる深圳やカジノで有名な澳門、工場の集まる東莞と共にデルタを形成し、経済的に注目度が高い地域になった。
彼の小説に出てくるビルの上の小屋に住む人や、他の出演者はどうしているのだろうかなんて考えてしまう。

 次は2巻を開き読んでみる・・・

2012年1月9日月曜日

農業の輸出とTPP

最近TPPに賛成する理由として、競争に曝されたことによって農業の競争力が結果として上がる。また保護された農業を競争に曝すことによって消費者の利益に貢献するという意見をよく聞く。

多国間自由競争の中で農業が競争力をつけた結果として、農産物を輸出するということを期待するというのは自然な成り行きである。しかし第一次産業の自給率が低く、高付加価値の農業製品を輸入を期待できる国がTPP加盟国の中に存在しないという事はスルーされているように思う。

農林水産省の資料によると、日本の農業輸出額は2006年では3,739億円であり、主な製品として、りんご、長いも、緑茶、しょうゆ、味噌などが挙がっている。

そして輸出国としてTPP加盟国の米国、タイ、シンガポール、台湾、香港、中国、豪州、欧州が挙がっている。

じゃあTPPに加盟すればもっと輸出量が増えるじゃんって思うかもしれないが、シンガポールより後ろの国は非加盟国なわけで…
輸出産業として農業を今ほど飛躍させる事をTPPに期待できるのかな?
醤油とかはマーケットあれば現地に工場作るわけだし… 車と一緒でさ

※ニュージーランドは加盟するけど人口的にどうかな? 自給率高いのに市場になる?



そして言うまでもないけど上記5製品だけが農業じゃない。


で、ちょっとそういうTPPで農業をどうにかしようぜ的な論調に賛同できないなぁって思い始めて最近色々考えているわけです。

そこで、今日はEUの農業政策について調べているわけです。

すごい端的に言うとEUでは市場を一つにする過程で農業政策も一緒になりCAP(共通農業政策)
ってのが実施されるようになった。

この政策の柱は

価格・所得政策:

農業の競争力強化と農家の所得増大の政策。価格支持、輸出補助金供与、関税賦課、個別農家に対する直接支払いなど

農村振興策:農業の生産性向上、農村の近代化、農地・草地・森林の環境維持を目指す

の二つで成り立っている。

そして共同市場への再編にあたって「農業の特殊性」に配慮して、自由競争の原則を制限し、不利な条件の農業経営には支援を提供することを容認しているわけ。

これをTPP下でやろうとすると参入障壁とか言っていちゃもんつけられる。

上をみるとわかるけどEUは農業に自由競争ってのは合わないって判断している。

興味ある人は直接見てみれば良いと思うよー



背景

戦後、ヨーロッパの農業政策は戦争からの復興と域内に十分な食料を供給することが主眼に置かれていた。でも今では域内で肉から加工品から野菜、フルーツ、ワインまであらゆる形の食料を生産するということに主眼がおかれている。

今は十分な品質の食品を十分な量消費者に提供することができているようだ。
そして消費者が品質を選択できるようにラベルを貼り、生産地や品質、遺伝子組み換えの有無などがわかるように配慮されている。

ラベルを貼ったりすると農業の付加価値を保障することになるので、高付加価値の製品の販売に役立ちそう。

実際に日本が輸出するということになると、米を二期作できたりする国や人件費が安い国があるので価格に優位性が無いので高品質なものを提供するということになるだろう。

そして廃棄物や副産物を利用してバイオ燃料を作る研究もしている。今はバイオ燃料で車も走るし、飛行機も飛ぶ

バイオ燃料に関しては、副産物とか食べられないもの、過剰生産されたものなら問題ないとか、
人が食べられるものはバイオ燃料にしてはならないとか、考え方次第だと思う。

ヨーロッパには農業の補助金がある。でも日本の民主党とは違って、自然災害や市場の不均衡から農業を保護して、農家がしっかりと生活できるように保障するもののようだ。そして、その代わりに農家は食品安全や環境や動物福祉に配慮する必要があるということみたいです。

ソースはこれね。


ここからヨーロッパの農業に期待されるものとして、食品の安定供給、安全性の他に産地の明確化や追跡可能性、そして環境や景観というものがあることがわかる。そして効率化も。

これらはヨーロッパのみが求めているものではない。もちろん日本も一緒だと思う。
一番基本的な所は守られなくてはいけない。

TPPは日本の農業には向かない。米国の大農業企業の利益にはなるけど。

個人的な見解だと農業の効率化はTPPの有無に関わらず不可欠だし、自給率も上げるべきだと思う。でも日本で効率的な農業ってできるのって思う人もいるだろうけど、効率的な農業に向かう動きはあると思う。


銀の匙って農業高校の学生生活みたいな漫画がある。そこにギガファームって大きな牧場が出てくる。漫画の話じゃなくて実際に日本にあるんだけど、ちょっと勉強になった。
たとえば、農業の規模が小規模でも分業して効率化できたり、集団化して効率化できたり色々な方法があると思う。

TPPに未来への淡い期待をするのではなく、
こういう所へ解決方法を求めた方がよいと私個人は思うのです。

なので農業を比較優位付きの競争にさらして良くなるかといえば、そうは思わない。
よってTPPに賛同する理由として、農業云々というのは違うと思うのです。

そして農業よりも金融とか、別の制度的な側面でTPPを注視する必要があるでしょう。